吹奏楽やオーケストラをの経験があると、クラシック音楽がテーマのドラマがあったらやっぱり見てしまいますよね
この記事ではわたしが見ておもしろかったドラマを紹介していきます
クラシック音楽を知らないかたも、興味をもつきっかけになってもらえたらうれしいです
のだめカンタービレ
2006年10月~12月放送
楽譜はちゃんと見ない、演奏はめちゃめちゃだけど天才的なピアノの才能をもつ「のだめ」(上野樹里さん)と、指揮者になりたいけど過去のトラウマで海外留学ができない「千秋先輩」(玉木宏さん)
2人を中心にして音楽の楽しさやむずかしさ、そして周りの人々も成長していく姿が描かれたストーリーです
コメディドラマですが、音楽に関する描写はとてもていねいに作られています
笑ってしまうシーンもたくさんありますので、音楽経験者も未経験者も楽しんで見ることができます
挿入曲はクラシックが盛りだくさん
オープニングはベートーヴェンの「交響曲第7番」“ベトシチ”、エンディングはガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」と、最初から最後までクラシック曲が盛りだくさんです
ほかにも
- 交響曲第4番「イタリア」(メンデルスゾーン)
- 「ロメオとジュリエット」よりモンタギュー家とキャピュレット家(プロコフィエフ)
- 「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」(リヒャルト・シュトラウス)
- 交響詩「禿山の一夜」(ムソグルスキー)
- 「トッカータとフーガ ニ短調」(バッハ)
など、一度はどこかで聴いたことのあるクラシックの名曲が挿入曲としてたくさん使われています
俳優さんの楽器演奏シーン
このドラマでは上野樹里さん、玉木宏さんのピアノ、福士誠治さんのオーボエ、水川あさみさんのバイオリンなどの「楽器を演奏している演技」が本当に上手です
とくに玉木宏さん演じる千秋先輩が、シュトレーゼマンの指揮でAオケと演奏する「ピアノ協奏曲第2番」(ラフマニノフ)は最高にカッコいいです(演奏の吹き替えは清塚信也さんだそうです)
上野樹里さんが演じるのだめが本気でピアノと向かい合うきっかけにもなった演奏でもありますね
のだめカンタービレで演奏されていた印象に残っている曲
ピアノ曲
- 悲愴(ベートーヴェン)
- 2台ピアノのためのソナタ(モーツァルト)
- ペトルーシュカ(ストラヴィンスキー)
- ピアノソナタ16番(シューベルト)
オーケストラ曲
- オーボエ協奏曲(モーツァルト)
- 交響曲第7番(ベートーヴェン)
- ラプソディ・イン・ブルー(ガーシュイン)
- 交響曲第1番(ブラームス)
- ピアノ協奏曲第2番(ラフマニノフ)
のだめカンタービレはテレビドラマの後、舞台が日本からヨーロッパへと移り「スペシャルドラマヨーロッパ編」「映画 最終楽章」へと続きます
のだめと千秋先輩のさらなる成長と、スケールアップしたストーリーは見る価値ありです
仰げば尊し
2016年7月~9月放送
神奈川県の「野庭高等学校吹奏楽部」がモデルとなった学園ドラマです
学校の問題児、いわゆる「ヤンキー」の5人が吹奏楽部に入部して成長していくストーリーは、涙なしには見られません
吹奏楽コンクール
このドラマの中の美崎高校吹奏楽部がコンクールの自由曲として選んだのが
・「エル・カミーノ・レアル」(アルフレッド・リード)
「吹奏楽の父」「吹奏楽の神様」とも言われているアルフレッド・リードの曲を起用してくるあたりが、吹奏楽経験者の心をがっちりとつかみにきてるな~と感じました(わたしもつかまれた1人です)
ドラマの冒頭には「春の猟犬」(アルフレッド・リード)の演奏シーンもありましたね
日頃テレビの中で「吹奏楽オリジナル曲」が流れることはほとんどないので、聴いた瞬間テンションが上がった吹奏楽経験者は多いのではないでしょうか
コンクールの結果を客席で祈りながら待つシーンは、自分の学生時代を思い出しそれだけで泣いてしまいました
新田真剣佑さんのサックス
「ヤンキー」の1人の新田真剣佑さんはドラマの中ではアルトサックス担当でしたが、吹いている姿がとても様になっていましたね
学生時代にアルトサックスを吹いていたようですが、実はフルートも吹けるそうです
真剣佑さんのフルートを吹いてる姿…ぜひ見てみたいものです
ドラマの中で「エル・カミーノ・レアル」のことを「エルカミでしょ」というセリフも、経験者ならではの自然な言い方だな~と思って見てました
カルテット
2017年1月~3月放送
音楽もさることながら、サスペンス要素あり、コメディありでストーリーがとてもおもしろいドラマです
なんといっても「弦楽4重奏」を結成する 松たか子さん・満島ひかりさん・高橋一生さん・松田龍平さんの演技が絶妙で、クスッと笑ってしまう場面もたくさんあります
「カルテット」で演奏された曲
弦楽4重奏なので、派手な曲はありませんが
- ドラゴンクエストより「序曲」(すぎやまこういち)
- 「わが祖国」より「モルダウ」(スメタナ)
- アヴェ・マリア(シューベルト)
- 「美しく青きドナウ」(ヨハン・シュトラウスⅡ世)
など、バラエティにあふれた曲目を演奏しています
リバーサルオーケストラ
2023年1月~3月放送
門脇麦さんが天才バイオリニスト、田中圭さんが変人マエストロとしてポンコツオーケストラ「玉川交響楽団」を立て直していくドラマです
わたし的にこのドラマの音楽の1番の聴きどころは、清塚信也さんによりアレンジされたさまざまなクラシック曲の挿入曲です
清塚信也さんによるアレンジ曲
- ボレロ(ラヴェル)
- 主よ人の望みよ喜びよ(バッハ)
- パガニーニ 24の奇想曲
- 「展覧会の絵」より「バーバヤーガの小屋」(ムソグルスキー)
- 「くるみ割り人形」より「金平糖の踊り」(チャイコフスキー)
他にもたくさんアレンジをされていますが、特にパガニーニはJAZZ風におしゃれにアレンジされていて、清塚さんのセンスの良さがあふれ出ています
玉川交響楽団が演奏した曲
- ラデッキー行進曲(ヨハン・シュトラウスⅡ世」
- 「アルルの女」より「ファランドール」(ビゼー)
- 威風堂々 第1番(エルガー)
- カルメン組曲(ビゼー)
- ウィリアム・テル序曲(ロッシーニ)
- 愛の挨拶(エルガー) オーボエソロ
- バイオリン協奏曲(チャイコフスキー)
- 交響曲第5番(ベートーヴェン)
- 交響曲第5番(チャイコフスキー)
クラシックではありませんが、「Ⅿela!」(緑黄色社会)もオーケストラで演奏していましたね
神奈川フィルハーモニー管弦楽団が演奏家として出演
このドラマの中で、役者さん以外でオーケストラのメンバーとして出演しているのが「神奈川フィルハーモニー」の本物の楽団員さんたちです
第1話で玉川交響楽団が演奏していた「ラデッキー行進曲」(ヨハン・シュトラウスⅡ世)はものすごくダメダメな演奏でしたが、プロオケのかたが演奏しているとなるとまた違った聴きかたができます
コンサートマスターの石田泰尚さんも出演!
第5話の「バレンタイン・ガラコンサート」のチラシに、神奈川フィルコンサートマスターの石田泰尚さんがうつっていました
石田泰尚さんはとっても”こわもて”ですが、奏でるバイオリンの音はものすごく繊細で美しく、見た目とのギャップが大きいバイオリニストです
オーケストラの一員として出演するときっと役者さんより目立ってしまうので、出演はないんだろうなぁと思っていましたが、まさかのチラシで登場!
それだけでかなりテンションがあがりましたが、最終回ではなんと審査員としてご本人も出演されました!
残念ながらセリフはありませんでしたが、存在感とオーラは凄まじかったです
さよならマエストロ ~父と私のアパッシオナート~
2024年1月~3月放送
指揮を振ることをやめた世界的マエストロ(西島秀俊さん)、バイオリンを弾くことをやめた娘(芦田愛菜さん)
すれ違ってしまった2人が音楽を通して親子のきずなを再生させていくストーリーです
ふたたび指揮を振ることになったマエストロが率いるのが、アマチュアオーケストラの「晴見フィル」
晴見フィルとその周囲の人々の葛藤や悩みなども、音楽が解決にみちびいてくれます
オーケストラの演奏場面はそんなにないですが、各話ごとにテーマの曲があり、ストーリーの中で効果的に使われています
各話(各楽章)のテーマ曲
- 第1話 田園(ベートーヴェン)
- 第2話 「ウィリアム・テル」序曲(ロッシーニ)
- 第3話 交響曲第6番「田園」(ベートーヴェン)
- 第4話 セビリアの理髪師(ロッシーニ)
- 第5話
- 第6話 カルメン組曲より「ハバネラ」(ビゼー)
- 第7話 アマポーラ(ホセ・ラカジェ)
- 第8話 「新世界」より(ドヴォルザーク)
- 第9話 バイオリン協奏曲(メンデルスゾーン)
- 第10話 交響曲第3番「ライン」(シューマン)
さよならマエストロのロケ地
このドラマの舞台は富士山の裾野にある架空の都市「晴見市」です
ロケは静岡県富士市でおこなわれているそうです
豊かな自然と存在感たっぷりの富士山のある美しい景色の中でさまざまなストーリーが繰り広げられていきます
晴見フィルでトランペットを担当している宮沢氷魚さんが屋外で練習をしているシーンがあるのですが、美しい景色の中で楽器を奏でることができるのは、非常にうらやましいことだな、と感じました
エール
2020年3月~11月
昭和を代表する作曲家、古関裕而さん(窪田正孝さん)と奥さま(二階堂ふみ)をモデルにしたドラマです
古関裕而さんはクラシック曲よりも昭和歌謡や軍歌のイメージがつよいですが、ご本人はクラシックの作曲家になりたかったこともあり、ドラマの中ではクラシック曲もたくさん使われています
エールで使われたクラシック曲
- 「威風堂々 第1番」(エルガー)
- カルメン組曲
- 弦楽セレナーデ(チャイコフスキー)
- カルメン幻想曲(サラサーテ)
- 皇帝円舞曲(ヨハン・シュトラウスⅡ世)
- 歌の翼に(メンデルスゾーン)
- 「椿姫」より(ヴェルディ)
東京オリンピックマーチ
古関裕而さんは、1964年に開催された東京オリンピックの入場行進曲「東京オリンピックマーチ」の作曲者です
このドラマ「エール」は2020年の東京オリンピックに合わせて制作されました(コロナの影響で2021年に延期されてしまいましたが)
この年、数多くの吹奏楽団が「東京オリンピックマーチ」を演奏しました
まとめ
クラシック音楽がテーマのドラマは、音楽をとおして人々の心を成長させるストーリーが多いです
それだけ音楽は心を豊かにするものなんだと改めて感じました
音楽とは関係のないドラマでも、クラシック音楽はたくさん使われています
たくさんのかたに、この素晴らしいクラシックの魅力を少しでも知ってもらえたらいいな、と思います