「マーチ王」といえば「スーザ」ですよね
スーザの名前を知らなくても「星条旗よ永遠なれ」は誰でも1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか
そんなスーザですが、マーチ以外の曲も作曲していたことをご存じでしょうか?
実はオペレッタや組曲も作曲しているんです(エル・キャピタンはオペレッタの中の旋律を基に作られています)
この記事ではスーザの隠れた名曲 組曲「The Last Days of Pompeii(ポンペイ最後の日)」を紹介します
あまり知られていないスーザの「マーチじゃない曲」をこの機会にぜひ一度聴いてみてください
「ポンペイ最後の日」とは?
「ポンペイ」はローマ帝国時代、イタリアのベスビオ山のふもとにあった古代都市です
西暦79年、ベスビオ山が大噴火し、ポンペイの町は火砕流に襲われました
ポンペイは一日ほどで8メートルもの火山灰に埋もれ、滅びてしまいました
それから約1700年もの間ポンペイの町は地中で眠り続けていましたが、18世紀に発掘され現在は遺跡として古代ローマ帝国の姿をみることができます
「ポンペイ最後の日」はイギリスの作家ブルワー=リットンが実際にポンペイを訪れ、着想を得て書き上げた小説です
スーザの組曲「ポンペイ最後の日」はこの小説を基にしてつくられています
組曲「ポンペイ最後の日」
組曲「ポンペイ最後の日」は
- 「In the house of Burbo and Stratonice」ブルボとストラニウスの家で
- 「Nydia」二ディア
- 「The Destruction of Pompeii and Nydia’s Death」ポンペイの破壊と二ディアの死
の3曲からなる組曲です
1 「In the house of Burbo and Stratonice」ブルボとストラニウスの家で
冒頭はローマ軍の兵士が行進しているような力強い出だしではじまります
かと思えば、6/8のリズムにのった楽しげな曲調になっていきます
のちに大噴火が起こるなんてことを想像もしていない、古代ローマ人たちがお酒を飲んでゲームに興じています
中盤のコルネットのソロののち、ふたたび行進のリズムがはじまり、トロンボーンが高らかに歌いあげます
2「Nydia」二ディア
二ディア(Nydia)は小説「ポンペイ最後の日」に登場する盲目の少女です
奴隷だった二ディアを助けてくれた青年に恋をしますが、青年には恋人がいました
そんな二ディアの切ない叶わぬ思いを、イングリッシュホルンとオーボエが美しいメロディで奏でます
3「The Destruction of Pompeii and Nydia’s Death」ポンペイの破壊と二ディアの死
冒頭はPPのティンパニのロールからはじまり、地面のうなりが表現されています
何か不吉なことがおこりそうな予感がしますよね
うなりはすこしずつ大きくなっていき、そして一気にベスビオ山が噴火します
人々は逃げまどい、火砕流が襲ってきてポンペイの町は破壊されてしまいます
この曲の最後は二ディアの旋律がふたたびでてきます
しかしpppで、二ディアは静かに息絶えてしまします
まとめ
スーザ作曲の組曲「ポンペイ最後の日」はいかがでしたか?
古代ローマの風景、ベスビオ山の大噴火の様子が目に浮かんだのではないでしょうか
スーザの曲の、マーチとはまた違う魅力を感じていただけたらうれしいです